『タイトロープ・ダンシング』に登場する楽曲たち

こんにちはー!おかげさまで新刊『タイトロープ・ダンシング』、それなりにご好評をいただいております。ご感想、イラストなどなど、本当にありがとうございます!引き続き、みなさんからのリアクションをお待ちしておりますー!

さて、今回のお話はいちおうバンドマン小説でもあるので、作中でわんさか音楽が登場します。や、知らなくても全然読める感じにはしたんですけども。つーことで本日は、作中に登場する楽曲群をちょろりご紹介!なエントリです。

タイトロープ・ダンシング

タイトロープ・ダンシング

 


ダイニングバーで流れているのは、Jamie XXのアルバム。最初はDarksideが流れてるシーンにしたかったんですけど、カタカナでダークサイドと書くと何だかわかんねえというか「え、スターウォーズ?」みたいになるのでやめました。この辺は、単に寛次より下の世代のアーティストの曲がいいなーと思っただけで、特に深い意味はありません。

大橋さんがちょろっと口ずさむ曲。元ロック少女とのことですが、音楽雑誌とかガンガン買ってたクチかもなーと想像してます。Snoozer系かな……。これはストーリー上、いちおう意味を持ってます。


外岡が持ち出すのはRobert Johnson。でも知ってただけで、たぶん別に好んで聴いてはいないと思います。ってかフィクションの世界では割に名前が出てくる人ですよね。


ファールグラウンド(この名前は僕がやってたバンドの名前からとりました。恥ずかしさ!)は、この曲のカバーから始まったバンド、という設定です。オリジナルもたぶん、結構キャッチーな感じの曲をやってたんでしょうねー。Dinosaur Jr.のJ MascisというとJazz MasterとBig Muffだったりします。でもあれですね、ダイナソー好きなんて下手すると寛次の兄ちゃんよりちょっと上の世代かもわからんですね。


傑が校庭でシャウトする「ニュー・デイ・ライジング!」は、Hüsker Düの"New Day Rising"からきてます。大学時代の3人が学校スタジオとかでノリでやってそう。ちなみに修馬が口笛で吹いているU2の曲は"New Year's Day"っすねー。"Nothing changes on new year's day...…"ていう。

寛次の部屋でランダム再生でかかるのはBon Iver。このアーティストはストーリー中で結構重要な使い方をしました。説明を省いちゃいましたが、「良き冬」をフランス語で正しく表記すると"Bon Hiver"になります。ただ、フランス語の"h"は黙字になるので読みません。


何故か藤重くんのお気に入りとなるPavement。僕は彼等が大好きだったんですけど、「何で好きなのかよくわからんなー、でも聴いちゃう」という感じでした。歌詞もすごくおもろいです。このアルバムはキャッチーなので藤重くんはこっから聴いたのかなーと。


寛次パパが好きなナイアガラレコード(ナイアガラ・レーベル)。僕の親父がはっぴいえんどとか大瀧詠一が大好きないわゆる「ナイアガラー」で、僕もすごく好きでした。離婚をきっかけに大量のアナログ、全部僕のものになっちゃいました。


『ランガージュ』で流れてる曲。僕は中学生の頃、叔父にボサノヴァのコードを教わったんですけど、「魔法のコードだ!」とキャッキャしてたのを覚えております。Elizete Cardosoが歌ったこの曲がボサノヴァの始まりなのですが、作中ではJoão Gilbertoが歌ってます。サウダージっていいことばですよね……。


外岡と寛次の台詞より。寛次はあれですね、卒業写真の面影がそのままだった系なんでしょうね。「あの頃の生き方をあなたは忘れないで」って、外岡ーーー!!!


曲の使いどころがおかしかったなーと思いつつ、Coldplayはいかようにでも解釈できる感じの歌詞がいいので、まあ、ああいう使い方してもいいんじゃないかと(暴論)。何度かライブ見ましたけど、もう、めっちゃシンガロングしましたよ!!!

修馬は『Pinkerton』のティーシャツを着てたみたいですが(相当ダサい)、会話に出たのはブルーアルバムのこの曲。この歌詞、たまらんですよねえ。大好きっす。余談ですがボーカルのRivers Cuomoの奥さんは日本人で、その影響もあってBoAの"メリクリ"のカバーまで……。クリスマスシーズンなので聴いてみて下さい。コンビニデオチャノン〜デ〜♪ (↓)


修馬はCap'n Jazzのティーシャツも着てるし、きっといい奴だと思います。

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Cap'n Jazzはこんな感じで広がりを見せてくんですけど、僕はこの辺ドップリだったので全部持ってます。寛次も全部持ってるんじゃないかな!「もういいよ何でも買うよ!」みたいなファンはいっぱいいたと思います。


寛次はきっと"How does it feel?"からのパートを口笛で吹いちゃったんでしょう!この曲はほんっとコンディションによっては涙出ますね……。


寛次のチルなプレイリストにはCody Chesnutt、Album Leaf七尾旅人なんかが含まれているようです。この辺は"サーカスナイト"が流したくて、でもその前にも何か流れてないと……ぐらいの感じだったので、七尾さん以外には特に意味はございません。


実は『タイニー・リトル・ミラクルズ』の最後でヨーさんが吹いてる口笛もこの曲だったんですけど、まあ、曲名出してなかったし、まあ、いいですよね? この曲はもうめっちゃ大好きです。小学生の頃、初めて聴いたBeatlesのアルバムが『Abbey Road』で、つまり初めて聴いた曲は"Come Together"でした。オカンに「このベースラインを聴け!」的なことを言われて「えええ……?」て感じだったのを覚えています。

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と、そんな感じでございます。

アーティスト名、映画のタイトル、車の車種、ブランド名、そういう固有名詞を僕はポンポン出しちゃうんですけど、その辺って結構扱いが難しいですよねー。自分の守備範囲ならリアリティをもって使えるからアリかな?とも思いつつ、出し過ぎだろ!という気もやっぱりして。しかしまあ、深く考えずにそのときそのときの気分や作品のカラーに合わせて、程度を決めてやっていこうと思います。

ともあれ『タイトロープ・ダンシング』についてはそういうお話ですので、興味のある方は是非是非ちょろちょろ聴いてみてくださいね。それでは!!