新刊『ティーンエイジ・キックス』リリースのお知らせ

お久しぶりです、晋太郎です。
新作中編──といっても少し長めですが、そのリリースのお知らせです!

ティーンエイジ・キックス

ティーンエイジ・キックス

 

「死ぬほど運がいいんだ、おれって」
中三の夏、陸上部の部室でそう言った作人は一週間後に飛行機の墜落事故で死んだ。

4-1=3。重要なピースを欠いたリレーメンバーの三人はそのまま陸上競技から離れるが、
高校二年生となった今でも、それぞれが作人の不在を強く意識したままでいて……。

早熟で先進的だったリーダー、去ってしまった一走の作人。
ブラックカルチャーへの憧れでいっぱいな"真性のアホ"、陽気で派手好きな二走の一球。
ただただ今をやり過ごそうとする、屈託にまみれた三走の《俺》。
そして、スニーカーばかりに情熱を注ぐ問題児、"動けるデブ"と化したアンカーの仁平。

ずきずきと疼く"あの頃"の眩しい記憶、目を逸らせない現実と迫り来る将来、三者三様の悩みと秘密──。
"今"を全力でキックするティーン、その傷だらけの青春と友情を描いた約75000字の書き下ろし中編!

タイトルの通り、今作は十代の青春モノとなります。というと、「おっ、お得意のキラキラか?」と思われそうですが、今作の主人公は17歳にして過去を眩しく捉えていて、いつまでもキラキラしてらんねえんだよ!的な態度を見せつけてきます。
結構な試練を与えられたキャラクターたちが、しかしそれぞれ懸命にあがくさまを描きました。ビターな要素もありますが、そこはきちんと晋太郎節(?)を効かせながら《ノンケ男子どもの熱くホモ臭い友情》をちょいちょいコミカルに、そしてエモーショナルに展開させております。中盤まではちょーっとウジウジしてますが、後半は勢いづきますのでぜひぜひ読み進めてくださいませ。

今回のキーワードないしキーアイテムは《Kicks=スニーカーです。アディダス派の主人公、内城壮亮(ナイキ・ソウスケ)くんは割と普通のニーチャンですが、スニーカーマニアの仁平くん、ヒップホップやそっち系のアートワークなどを愛する一球くんのおかげで、今までになかったなあ、というぐらいブラックミュージックやストリートカルチャーの色も入り込みました。元陸上部員のくせに(?)割とヤンチャな連中になってます。そういうところもお楽しみいただけたら嬉しいです!

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作中に登場するスニーカーの一部です。こんな感じ。

やー、今作は今年の1月アタマに書き始めてすぐに初稿があがったので、これは春先にはリリースできちゃうなあ……なんて思ってたんですけど、コロナ禍(と、それに重なるようにして起きたヤベエ諸々)のために身動きのできない日々が続き、寝かせたくないのに寝かせるような感じになっちゃったんですよね。でもまあ、夏のお話なのでこの時期にズレ込んだのも結果オーライということにしたいです。しないとやってらんねえ!


例によって作中に出てくる音楽のエントリもまた立てたいなーと思ってますが、1曲だけ貼っておきます。執筆中、Mura Masaくんの新譜と作品がリンクして盛り上がったので、今回はアルバム通して色々と使いました!ブラックミュージックじゃないやん。

ということで、どうかどうかよろしくお願いします!
そして毎度のことですが、ご感想、激励、イラストなどなどのリアクションも切実にお待ちしております!!それを糧にこのまま次回作(たぶんどうでもいい感じの、露骨な性の話が多めな、おっさんやニーチャンどもの短編集)に移りたいなあと!
絶対に絶対にがんばりますので、何卒、よろしくお願いいたしますーーー!!!