新刊『Dear, Summer Friend』『フィッシュ・イン・ザ・シー』リリースのお知らせ

お久しぶりです、晋太郎です!

中編と長編のリリースをしますよお!と宣言をしてからずーーーっと何もできずで本当に申し訳ありませんでした。やー、人生っていろいろありますよね(のひとことで心底片づけたい)。ということで、久々の新作リリースのお知らせです!

Dear, Summer Friend

Dear, Summer Friend

 

【高三の夏だろ 俺らの三年 振り返っちゃおうぜ】
夏休みのある日、唐突に送られてきたメールが《僕》を海へと誘う。
全力で愛をぶつけてくるゲイの親友との、追想的小旅行──であるはずが、話は予期せぬ方向にズレてゆき……。

“──奴が向けてくるのはカメラのレンズであり、まっすぐな好意であり、あけっぴろげな愛だ。永吉はオープンリー・ゲイで、そして、困ったことに、僕の親友だ。”

左ウイングの憲伸、右ウイングの永吉。
ちょっぴり捻くれた《ストレートの僕》と、どこかすっとぼけた《ゲイの親友》。
ふたりを繋ぐ奇妙な友情、そこにもたらされる変化とその顛末は────?
夏!海!恋!友情!音楽!をマジカルに詰め込んだ、約61000字の書き下ろし青春中編。

フィッシュ・イン・ザ・シー

フィッシュ・イン・ザ・シー

 

映画の宣伝マンとして気ままに暮らしていたオープンリーゲイの三十男・鯨井兆は
靴職人を目指す青年・野崎史丸と出会い、いつしかのめり込んでしまう。
「もし、俺らが魚だったとしたら。俺は水槽の中の魚で、鯨井さんは海の魚っすね──」
初めて味わう類の痛み。そこに後悔と悪感情が入り混じり始める中、最低としか思えぬ出来事が訪れて……。

“もし俺が水槽でなく海洋に属しているのだとして、俺は決して何かを目指して泳ぎ進んでいるわけではない。実際のところ、それはほとんど漂流でしかない──。”

大人になり切れない大人が抱える、みっともないぐらいの執心と孤独。
《嫉妬》を軸に描いた、約42000字の書き下ろし短編。

*表紙の体裁が同じなので誤解をされそうですが、作品のテイストとしてはまったく違うノリになっていますのでご注意くださいませ。前者は《十代のキラキラ》を、後者は《三十代のウジウジ》を描いた作品です。(もう一本、《二十代のモヤモヤ》もやったのですが、それはまたいずれ……!)

①『Dear, Summer Friend』はひとことで言うなれば、セルフパロディというかセルフトリビュートのような一本かなーと思っています。自分が好きなものを好きに書こう!という気持ちだけで書いたため、必然的にそういう感じになってしまった部分もありますし、途中からは意図的に過去の路線に寄せていったところもあります「いつもの感じね」でお気軽に読んでいただける作品かと思いますし、ふたりのわちゃわちゃ感を楽しんでいただけましたら幸いです。YAかつBL寄りです!

②『フィッシュ・イン・ザ・シー』は近年の僕が書き始めていた三十代ばなしの系譜の延長線上にあって、僕的には未発表作の『Run, Jump and Throw.』というおっさんどもの中編を間に挟んでいたためあまり飛躍は感じないのですけども、人によってはその内容にビックリされるみたいで。悪感情を描こう!というテーマで書き始めた作品なので余計にそうなるのかもしれません。甘いお話ではありませんが、よろしくお願いいたします。こちらはゲイ小説寄りです。

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さて、作品のあとがきにもちょろっと書いたのですが、僕はいわゆるライターズ・ブロック的なものに苛まれていたのにくわえ、「作品を発表するのがめっちゃ怖い」モードに陥ってしまっていたため、今回の作品は「ダーッと書いて熱がさめないうちにそのまま発表する!そんで未発表作をリリースするためのはずみをつけるなり、次作に取り組むエネルギーに変えるなりする!創作&発表の感覚・リズムを取り戻す!」ということを目的に執筆しました。

抱えているうちに発表できなくなってしまう……という流れを2回やらかしたので、同じ轍は踏みたくねえ!という一心で、ほとんど勢いだけでリリースします。故に荒い部分も残っているとは思うのですが、ともに楽しみながら書けましたし、決して悪くはない作品であるとも感じています。リバビリ作ではありますが、もしよろしければご一読くださいー!

ご感想、激励、イラストなどなどのリアクションもお待ちしております!切実に!

俺、まだまだ頑張りたいと思っています!よろしくお願いします!

『Dear, Summer Friend』はこの楽曲からタイトルを拝借しました。"サマーヌード" という希代の名曲の前ではどーしても霞んじゃうところがありますけど、めーっちゃ名曲です。本編でも登場するので聴いてみてください!

ウィル・グレイソン、ウィル・グレイソン (STAMP BOOKS)

ウィル・グレイソン、ウィル・グレイソン (STAMP BOOKS)

 

そして今回、「あー、やっぱ何か書きてえ!」と僕の手を久々に動かしたのは、この最強にチャーミングなYA小説だったのだと思います。「俺も俺なりのタイニーくんを生み出してえ……!」などと考えていたら、永吉くんがひょっこり現れました。この本は全力でお薦めしたいので、興味のある方はぜひぜひ。

サイモンvs人類平等化計画 (STAMP BOOKS)

サイモンvs人類平等化計画 (STAMP BOOKS)

 

こっちも愛おしい作品ですので、ついでにご紹介!『ラブ、サイモン(Love, Simon)』というタイトルで映画化もされましたね。やー、しかしSTAMP BOOKSはほんとに素晴らしいですわ……。

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最後に、今回下読みを3名にお願いし、それぞれが「コレは出しちゃいましょう!」と背中を叩いてくださったことがたいへん大きかったです。どうもありがとうございました!なお、校正はひとりでやったので、潰し切れていなかったら申し訳ありません&ご報告をいただけますと幸いです……!

次回は作中に登場する音楽を紹介するエントリを立てたいと思っております。それではー!