新刊『門前三兄弟』リリースのお知らせ

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門前三兄弟 -ゆく河の流れは絶えずして-

門前三兄弟 -ゆく河の流れは絶えずして-

 

昆虫好きの暢気な野生児、長男・甲太郎(19)。
生真面目な赤髪の捻くれヤンキー、次男・清次(17)。
思春期真っ盛りの悩める中坊、三男・陽之助(14)。

作家の母と文化人類学者の父のもとで育った、門前(かどまえ)家の三兄弟はまさに三者三様。のどかな毎日を送っている三人なのだが、実はそれぞれ等身大の悩みや事情、ある種の秘密を抱えていて──?
緩やかに流れ続ける多摩川、その畔で紡がれる家族と記憶の物語。

(400字詰め原稿用紙換算で約640枚/およそ22万字)

<収録エピソード>
★01.ウィー・アー・ファミリー / WE ARE FAMILY(I got all my brothers with me)

 新生活の始まる四月。突如、学校一の美少女である辻村真帆に呼び出された清次。クールな彼女はどういうわけか「門前家」に関心を抱いているようなのだが、話は清次の予期せぬ方向に転がり始め……?(*1話まるまるがプロローグとなる位置づけのエピソードです)

★02.ヨウノスケ・オン・ザ・フェンス /YONOSUKE ON THE FENCE

 十四歳にして不眠傾向のある、悩める三男・陽之助。そんな弟の話を、野球部の特大エースこと坂田啓史に聞かせる羽目になった清次だが、奔放な悪友はそこで奇妙な提案を持ちかけてきて……?

★03.キヨツグ・アンド・バッド・ブラッド / KIYOTSUGU AND BAD BLOOD

 憂鬱な梅雨どき、平坦な生活が続いていたある日──門前家に飛び込んできたひとつの小さなニュース。明らかに様子のおかしい清次を心配し、ガールフレンドの更紗は探りを入れようとするのだが……?

★04.コータロー・ダズント・クライ / KOTARO DOESN’T CRY

 母はラ・コルーニャ、父はボルネオ。両親ともに不在となった門前家の夏。退屈で平和な三人暮らしになると予想していた清次と陽之助だったが、元より頓狂&短兵急であった甲太郎の行動はどんどんエスカレートしてゆき……?

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☆村田ポコさんによるイラストを使用したキャラクター紹介ページを収録。
購入特典として、表紙で用いたイラストをスマートフォン用の壁紙として配布いたします
発売より2〜3ヶ月後に販売価格を値上げする予定ですので、お早めのご購入がお得です!

*PC、もしくはタブレットスマートフォン等の端末にKindleアプリ(無料)を入れることで、どなたでも読むことが可能です。

久々の長編リリースのお知らせです!
……といっても、本作のアイデアを考えたのは2015年の暮れ、初稿を書き上げたのは2016年の春夏なので、実に2年以上も前の作品だったりします。長過ぎるぐらいの期間、眠らせた状態のままとなっていましたが、今春、思い切って2本の短編・中編を発表したこと(そして皆さんにたくさんの反応をいただいたこと)で、ようやく気持ち的な踏ん切りがつきまして、ふたたび原稿に手を入れることができました。内容自体は初稿と何ら変わっていないものの、どうにか納得のできる水準まで引き上げられたのではないかなと感じています。かなり青息吐息になりながらではありましたが……!

過去の長編ふたつと同様、今作もいわゆるキャラクター文芸にあたるラインの作品となっており、友情・恋愛・青春の要素もそれなりに残しつつ、しかし《家族》に焦点を合わせたことだけが "初めて" の一本です。BL的・ゲイ小説的な彩りももちろんありつつ、切実な内容も多々織り込んではいるものの、キャラクターたちは一様に明るく、コミカルな要素も少なからずあるかと思います。三兄弟はもちろん、その家族や友人たちにも個性的なキャラクターがたくさんおりますし、いつも通り僕は彼らに愛を注ぎましたので、皆さんがお好きなキャラクターと出会えることを心から願っております。

22万字と、人によっては数時間で読めてしまうほどのボリュームですので、ぜひぜひお気軽にどうぞ!(*ただしライトな作りではないため、「晋太郎作品は初めて」という方はまず他の作品を入り口としていただくのが安心かなあ、とは感じております)

思いは既に次の作品たちへと向かっていますが、当時の自分に報いたいという一心で懸命に仕上げた、個人的に特別な一作です。どうか今後の作者の活動ともども応援してくださると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします!!