新刊『イン・ザ・ドッグハウス』リリースのお知らせ

微妙にお久しぶりです、晋太郎です!
これまた微妙に久々な、新作中編リリースのお知らせです!

イン・ザ・ドッグハウス

イン・ザ・ドッグハウス

 

「で。犬の飼育をやめた代わりに、犬っぽい男と遊んでんだ?」
「なるほど。犬は生涯に一匹でいいというわけか」
「行辰さん、犬の話をたまーにしてくれますけど、絶対に名前で呼ばないすよね」

社会の洗礼を受けてくたびれ始めた、育ちの良い【レトリバー】。
オープンリレーションシップの恋人をフランスに持つ、辣腕SEの【シェパード】。
異性愛者の師に想いを寄せ続ける素朴な刺青職人、【四国犬】。
そして、長年のパートナーと別れてからというもの、放埓な生活を送ってきた三十男・舟場行辰。
どこか犬に似た三人の男たちとの怠惰な日々の果て、それぞれとの関係に変化が兆す。

“分散しろ。一極集中では重すぎる。分散しろ──。”

種々の別離に触れ、臆病風に吹かれたひとりの男が辿り着く場所とは────?
暑過ぎる夏、熱波に焦がされる犬たちの《変化と選択》の物語。
約51000字の書き下ろし中編。

 ……という感じの一本で、つまりは犬ども(比喩です)のお話です。

今や僕の作品は完全に《キラキラティーンorやさぐれおっさん》となっている節がありますが、今作は後者ですねー。本当は(バランスを取るためにも)前者に該当する中編『Copy, Right?』と同発にする予定だったのですが、「私生活の諸々によって近々身動きが取れなくなるのでは……!?」的なやべえ予感が現在ありまして、「うおー、急遽こっちだけでも出しちゃおう!今のうちにさっさと出しちゃおう!」と判断をくだした次第です。

両輪の片方だけだとバランスを欠くなー、という思いも実のところあるんですが、「リリースの感覚が空きすぎてしまうと臆病になる」「手放すタイミングを見失う」というのは経験的によーくわかりましたし、「ここはまた読者さんの反応をエネルギーに変えて、どうにかしばらくやってきたい!」みたいなアレもあります。初稿からほとんど変わってないやん!そんなら4月ぐらいにリリースできたやん!と己にツッコミを入れつつ、どうかどうか、みなさまよろしくお願いいたします!

さて、今作の内容にざっと触れますと、《セックス、延いては他者との関係の在り方》について書いた一本になるのかなーと思います。「俺が歌を作るときのテーマはセックスと死だけなんです」と若かりし日の草野マサムネ氏は言ってしまった(ウヒャー)そうですが、実は僕の今作にも《死》の影がちょろちょろと顔を覗かせております。ということで、ほの暗い要素もあるのですが、言っても「あー、いつもの感じやん?」で済んじゃうぐらいのもんですし、おそらく犬どもは魅力的なキャラクターになっていると思いますし、身構えず、軽い気持ちでお読みいただけますと嬉しいです。何より「犬が好きだ!俺は犬が好きなんだ!」という偏向を押し出せて僕としてはたいへん楽しかったので。《犬の比喩》《犬のような男》を僕は繰り返し書いてきましたが、全編その調子というのはさすがに初めてでしたし、うーん、楽しかったなあ……。

やー、みなさんにも楽しんでいただけたら本当にしゃーわせなのですが、いつもながらリリースしてみないとその辺はわかんないですね。クソこわ!
なかなか癖の強い作品ですが、どうか楽しんでいただけますように!

毎度のことですが、ご感想、激励、イラストなどなどのリアクションもお待ちしております!どうかよろしくお願いいたします!まだまだガンバルトーーー!