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未来撃剣浪漫譚 ADAUCHI

未来撃剣浪漫譚 ADAUCHI

未来撃剣浪漫譚 ADAUCHI

 

やー、これは面白かったです。好みは分かれるかもですが、ゴッタ煮な世界観やキャラクターだけでも充分に楽しめる一本で、個人的にいい感じでした。情景やキャラクターの外貌を想像するだけで楽しかったですし、全体の15%ぐらい読んだ時点で前のめりに。
と、盛り上がりつつ読み、次々登場する魅力的なキャラクターにフフフとなって期待値が高まった分、ラストの展開には若干の失速を感じたものの、「続きが読みてえ!」で最後までグングン行っちゃいました。既視感のある近未来的な世界観に突飛な発想がいくつも組み込まれていて、その匙加減がなんとも絶妙なんですよねえ。ネタとしては「骨伝導MIX」とかそういうのも楽しい。

ユーモアを感じる描写やちょっとした小ネタも随所にあって、それも楽しめました。「<討ち>の動機や活動内容に不満があればいつでも<押し変>することが可能だ」とか、「アムステルダムから大麻の勉強をしに日本に来ました」とか、本筋とそんな関係ないとこでちょいちょい笑ってしまった。でも「アイドルの卵がジョイントを手巻きしてくれる<萌え草店>」があるぐらいだもんなあ、ていう。

あとはところどころにエロスを感じたんですけど、これで高村薫的ハードボイルドな男同士の絆が含まれていたら、その筋にも人気が出そうですね。それをやっててもおかしくない世界観ではあるし。今作でやるなら鮫ちゃんとパクの間に精神的な深い繋がりを持たせる、とかかなあ。それがあったら、結果として鮫ちゃんの行動にも説得力(と萌え)が生まれた気がします。うーん、この世界観で当たり前に男×男、女×女(凛と友子の友情に+α、とか)の要素があったら(個人的に)やばいなあ、と妄想。『機龍警察』にやられ過ぎたのかもしれません。

そういったゲイ目線でいくと、個人的に魅力的なキャラクターは何といっても美少年の薫。彼がオタクに変装して活躍するシーンはワクワクしたし、お姉さんとの関係性もいいし、平たく言うとかわいいっす。オチも良く、続編があるなら尚更という感じのオチ。
そして一般的なゲイに間違いなくウケるだろうな、という存在としては、知性的・温厚・巨漢と三拍子揃った熊ちゃんがいます。最後に離脱してしまったのが惜しいキャラクターなので、バックグラウンドも含めて続編で描かれたらなー、と思いました。この人は確実に人気が出ると思います(ゲイに)。

ということで、後半どうでもいい私見を交えてしまいましたが、無料で読んだのが申し訳ないぐらいに楽しんでしまったので、エントリにしておかねばと。でも、これ有料でも99円なんですねえ。このボリュームと内容で99円は安過ぎではなかろうか……、ともあれオススメです。