無料キャンペーンのお知らせ&2018年の総括など

やー、2018年もいよいよ終わりですねえ。
ということで、平成最後の大晦日総括やご挨拶などを雑多に含んだエントリを立てさせていただくことにしました。のですが、まずは現在行なっている無料キャンペーンの告知をさせてくださいませ!

ナイン・ストーリース? ー球児九人夏物語ー side A

ナイン・ストーリース? ー球児九人夏物語ー side A

 
晴れでも雨でも -Shiny Side-

晴れでも雨でも -Shiny Side-

 

こちらの二作品、その上巻が無料となっています。 おそらく本日12/31の夕刻17時までですので、未読の方は無料分だけでもトゥルッとDLしてやってくださいー。ともに僕の代表作であり、お気軽に読んでいただける内容の作品ではないかと思っております。

では、以下は2018年の総括的な感じで……。

Dear, Summer Friend

Dear, Summer Friend

 

2018年は僕にとって《再起》の年だったなーと思います。
ほぼ2年間(!)何もできないような状態でいましたが、衝動的にこの『Dear, Summer Friend』という作品を書き始めたこと、そのまま一気に完成まで強引に持ち込んだことでコンディションが少し変わったように感じます。「あー、小説ってこういう風に書くんだったなあ」という感覚が内側に蘇ってきたというか。
とても新鮮な気持ちで、原点に立ち返るような思いで楽しく執筆できたことが僕の中では大きかったのですね。「別に新しいことをやらなくてもいいじゃん!」と肩の力が抜けましたし、「こういうのまだ書けるんじゃん、俺!」とささやかな自信にも繋がりました。我が子ながら、永吉と憲伸が心から愛おしいです。xoxo!

ウィル・グレイソン、ウィル・グレイソン (STAMP BOOKS)

ウィル・グレイソン、ウィル・グレイソン (STAMP BOOKS)

 

僕に衝動を与えてくれたのがこの本、そしてこの本に登場するタイニー・クーパーくんであったことには何度でも触れなければいけません。
言うなれば僕は「自転車の乗り方がわからなくなってしまった」「それどころか恐怖を感じる」状態だったんですね。だけどこの本を読んだとき、どうしても自転車に乗る必要が生まれてしまった。乗らないことには辿り着けない場所が見えてしまった。じゃあ乗るしかない。乗った。運良くフラフラと前に進めた。止まったらもう二度と乗れないかもしれない。ペダルを漕ぎ続けるしかない……!
と、そういう具合に本の力に動かされて書いたからこそ、本の力を信じる憲伸が生まれたのかなーと思います。タイニーがいなかったら永吉は生まれていない、というのは言わずもがなですけれど。

そんな永吉くんが好きな曲のプレイリストも公開しました。永吉というキャラクターがよくわかるリストになっているのと同時、単純にいい曲がいっぱいですので、ドライブやピクニックのおともに使ってやっていただけたら嬉しいです。

フィッシュ・イン・ザ・シー

フィッシュ・イン・ザ・シー

 

サマーフレンドと同時執筆&同時発売だったのがこちら。この二作は鏡映関係である、というご指摘を複数受けましたが、サマーフレンドを書き上げるためには逆側に重しが必要だったという感覚が僕にはありますので、相似的になるのは必然だったのかもしれません。これがなかったら自転車は確実に転倒していたことでしょう。
ただ、サマーフレンドを書き上げるための一本ではありましたが、自分をリスタートさせるうえで重要な話だったよなあという思いは強くあります。俺は膿を出さなきゃいけない、そして主人公をあるていど突き放さなければいけない、そういう気持ちをずっと抱えていましたので。
ともあれ、この作品は「こういうのを書いちゃったんだから、今後はもっと色々やれるべや」という感覚にも繋がりました。これをひとつのターニングポイントとして、今後の作風を広げられたらいいなあと思っています。

作中に登場する楽曲のプレイリストも作りました。セロニアス・モンクは『Run, Jump and Throw.』という未発表中編からの流れなのですが、そちらもいずれは公開しようと思っています。ただ、あまりにもバランスの悪い自己弁護的な作品であるため(その反省があったからこそ『フィッシュ』は完全な救いを設けない構成となりました)完全に他人事になった頃にリリースしようかなあと。

門前三兄弟 -ゆく河の流れは絶えずして-

門前三兄弟 -ゆく河の流れは絶えずして-

 

2018年最大の出来事はこの作品を手放せたことです!
手放すという表現は望ましくないなと思いながらも、率直な実感としてはやはり「手放せた」なんですよね。《再起》するためにはどうしてもリリースが必要で、そのために現状の自分にできるベストを尽くしました。この作品を完成まで導いたことについては自分をめちゃめちゃ認めてやりたいですし、その過程で得たものや、決して少なくない反省点たちは今後に活かしたい……というのが偽らざる今の気持ちです。

リリースして間もないですが、多くの方にお読みいただけてただただ感謝です!頂戴したご感想の数々を胸に、今後も頑張ってゆきたいと心から思っています。なんと言えばいいんでしょう、「この先の俺にまだ期待して貰えるんだ」と強く感じさせてくださってありがとうございます!というか。

『三兄弟』は言ってしまえば、全作品の中で最も「社会派」の色が強い一本となりましたが、次はもっと私的な領域に戻りたいなと今は感じています。僕が日頃考えていることはどうやっても作品に織り込まれてしまうわけですし、もっと肩の力を抜くべきだろうと。今回、自分の領分がどこにあるのか、あるていど正しく掴めたような気がしていて……と、ちょっとまだ上手く言えない部分が多いのですが、以上の全部を引っくるめて、とにかく俺はこの作品をリリースしたわけなんですよ。一定のクオリティは担保したつもりです。当然、めちゃめちゃ読んで欲しいですし、作品としての意義もあると思ってます。もちろん、深く愛しています。けど、絶対に絶対にもっといいもんを書いてやるからな、シンプルに!的な思いを俺はめちゃめちゃ胸に抱いています。上手く言えねえ!

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と、猛ってしまいましたが、2018年は小説以外のことにもチャレンジする機会を賜りました。もはや僕が改めて説明する必要もないぐらいメジャーなゲーム、『東京放課後サモナーズ』です。僕は先日公開された中津木キュウマくんのキャラクタークエストに参加させていただいています。
打診をいただいたとき、僕は『放サモ』はおろかいわゆるソシャゲの知識も皆無に等しかったのですが、実際にプレイをしてみたところ「あー、これは面白いわ……」と膝を打つ感じで、こうして関わらせていただけたことをとても光栄に感じています。勉強になることが非常に多く、「ああ、すごいことをやっているなあ。ゲームってすごいなあ」と素朴に感動してしまうような感覚もありましたね。これだけ娯楽要素がギッシリで、しかもまっすぐにエンカレッジするのって最高じゃないかと。
僕としては、とにかくこのゲームの世界観とキャラクターのファンをがっかりさせたくない、絶対に裏切りたくないという一心で事にあたりました。僕なりのキュウマ愛もギュッと詰め込みましたので、楽しんでいただけていることを心から祈っています!

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ということで、2019年です。2019年の一発目は『マイ・ファニー・バレンタイン』という短編集でいくことに決めています。上の画像は仮ですが(というか三兄弟の表紙で同じ書体を使ってしまったのでどうしようかなーとなってます)ともあれ習作短編集の第4弾です。表題作はサマーフレンド&フィッシュと同時に書いていたもので、その他は三兄弟の推敲中に書いていました。いずれも自由に楽しく勢いだけでダーッといったお話ですので、肩肘を張らずに読める内容になるかと思います。

今は完全に頭が短編モードになっているらしく、アイデアがポンポン出てくるので楽しいんですよー!長編を手放したことでメモリが解放されたような感じなんでしょうね。何本か完成したら短編集にする、という流れを二回ぐらいやりたい気持ちでいるのですが、まあ、人生色々ありますんでこのモードが突然断ち切られてしまってもがっかりせずに、マイペースにやっていきたいなと。穏やかな一年であって欲しいなーとは思いますが、2018年にしても職場が完全に新しい組織に生まれ変わったり、家族がバタバタ倒れたりと色々ありましたし、そういうのは自分の意思だけでは避けようがないですからねー。くわえて俺はトーフ・メンタルで、過剰な愛を持て余しているので。
何にせよ、当面は長編を避け、ゆっくりと感覚を取り戻してゆきたいです。やっと再起しかけているので、「気軽に書いて気軽に出して気軽に読んでもらう」路線でいきたいですね。継続できること、それがいちばん大事ですし。

 

やー、長々と書いてしまいましたが、僕の作品を読んでくださった皆さん、応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。七転八倒を地でいってますが、今後もヘタレな晋太郎を見守ってやってくださると嬉しいです。頑張ります!

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では最後になんとなく、2018年に僕がよく聴いた曲のプレイリストと、そこには加えなかった3つの珠玉の楽曲を。

Homecomings、うちの甲太郎が絶対好きなやつです。七尾旅人、2018年の暮れに最高に最高なアルバムをドロップしてくれました。思い出野郎Aチーム、彼らは俺のサウンドトラックを作ってくれてるぜ!と感じてしまうぐらいに好きです。去った去った去った!ちくしょう、最高だ!どうか良いお年を!