電子書籍が発売になりました

新作をAmazonにて電子書籍オンリーで販売する予定なのですが、現状ではプレビュー環境が弱く、もろもろを考えた上でいきなり本番というのはどうにも怖いので、試験的に短編をアップしてみました。
Kindleはもちろん、iPhoneiPadAndroid等の端末にKindleアプリを入れることで読むことができます。

立ち止まる猫

立ち止まる猫

普段はキラキラした中高生ばかり描いているので、ちょっと毛色の違うものをやってみたいなーということで書いた実験作です。ハードボイルドとまではいかないものの、仄暗い感じの作品。男が書くBLってこういう感じじゃねーか?と思いつつ書きました。
元ネタというわけではありませんが、濱口竜介監督の『The Depths』を見て、思い浮かんだ作品です。

卵の中から

卵の中から

こちらは逆に、女性作家が書いたっぽい雰囲気が出せないかなあという気持ちで書いた実験作。というのが理由かはわかりませんが、女性からのリアクションが良かったです。サマキャン vol.3の『サンキュー・マイフレンド』と同じ中学校が舞台になっています。
サマキャンは読み手に「ここでグッときて欲しいなあ!」という意識アリアリで書いてるんですが、習作はそういうことをまったく考えていないので、かなり淡々としてますね。

上記の二点、本来は無料にしたいところだったんですが、無料にできるのは5日間のみ、かつ無料の期間を作るためには本の価格を最低250円にしなければならない……ということで、やむを得ず、最低価格の99円を選びました。
追記:僕の勘違いでした。KDPセレクトに登録する条件が250円以上だと思っていたのですが、KDPセレクトに登録しつつロイヤリティを35%にし、250円以下で販売する方法もあったみたいです……。

サンキュー・マイフレンド

サンキュー・マイフレンド

僕の話はゲイのキャラクターが出るものばかりですが、こちらはストレートのバンドキッズたちのストレートな友情モノ。ゲイバナではないということで、ストレート男性からの評判も割と良かったです。 一年半ほど前の作品ということで拙くはあるものの、個人的に気に入っている作品なので、是非多くの方に読んでいただきたいですねー。

セカンドサーブ

セカンドサーブ

これは、サマキャンをやっていて一番反響が大きかった作品です。ゲイの読者にとっては過去の切実な体験とダブるところがあるのかなあ、と感じました。 そういうリアクションがあったので、ゲイティーンを応援するアンソロジー『IT'S OK!!』にお誘いをいただいたときには、この作品にストレートなメッセージ性を持たせたような話にしようと考えました。
電書版のみ、スピンオフ作品の『最後の夏』という二年後の夏を描いた短編をボーナス追加してます。そういうの、やってみたかったんすよー。

ア・ピース・オブ・ケイク

ア・ピース・オブ・ケイク

習作短編、それも色々試してみたいなあという実験作ばかりを6つ詰め込んだ短編集です。どれも一瞬でパパッと最後まで書き通したものなので色々とご愛嬌な感じですが、割と好きだと言ってくれる方も多かった作品たちになります。
無料配信をどうしても試したいため(どの程度DLされるものなのか、やっぱり知りたいので)、これは250円での販売にしました。他の作品より高いのはそれだけが理由なので、個人的には上の四つ(特にサマキャン収録の『サンキュー・マイフレンド』と『セカンドサーブ』)をオススメいたします。でも、5/4の夕方17時ぐらいから5日間の無料キャンペーンがスタートしますので、是非DLしてくださいね。
追記:上記のとおり勘違いがありました。誤情報をすみません!
よろしければレビュー等、よろしくお願いします!

KDPでの電書発売にあたって

今回使用した実験用のePub3ファイルの個人的な作成手順をメモしておきます。
情報が少なくて困る場面があったので、後々制作される方のためにも。

■ePub3制作手順

AozoraEpub3を使い、原稿を青空文庫の書式にしたものをePub3に書き出し

ePubの拡張子をzipに変更→解凍
 内部のhtmlやcssなどのファイルを直接編集(文字コードUTF-8

・目次には論理目次のtoc.ncxと通常のhtml目次があるものの
 端末の差異を考えると結局はともに必要そうだったので、両方とも修正
・.opfは構成ファイルというか、ePubの中身を定義する感じのものなので
 新たにファイルを追加したり、ファイル名を変更する際には必ず修正

★再度、圧縮してePubに戻す
・圧縮の際にはmimetypeファイルのみ選択的に無圧縮で格納する必要がある
(僕はOSXなのでターミナルから圧縮しました。ココを見ると手順が簡単に載ってます)

★Kindlegen(ないしKindle Previewerで直接)にてePub3をmobiに変換

■mobiファイルの検証・確認

Kindle PW
Kindle Previewerでの確認が可能。
 KDPに問い合わせたところ、プレビューワーに関しては日本語ドキュメントの場合、
 現状ではPWモード以外サポートしていないとのこと。
 僕は実機で見ました。

Kindle Fire
・プレビューワーでの確認は不可。
 opfの"dc:language"を"ja"から"en"に変更すると使用することはできるものの
 言語設定を英語にしてしまっているため、表示に不具合が出る。
 実際にアップする際には言語設定をjaにしていなければならないので
 画像の表示のされ方を確認する程度のことしかできないかも。
 当たり前ですが、実機が確実です。

ePubをKDPにアップする際にブラウザ上での確認が可能な
 シンプルビューワーを使うことができる。そちらはFireでの表示も確かめられる。

iOS
・プレビューワーの確認は不可。
iOSアプリに生のファイルをそのまま送っても
 望むかたちでは表示してくれない模様。
 KDPに問い合わせたところ
iOS系端末での表示につきましては、実際のファイルを送っていただき
 実機表示に問題がある箇所を教えていただければ技術者が出来る限り対応いたします」
 とのことで、どうも何かしらの処理が必要なようです。
 アップの際にiOS版のみ公開が遅れるのも、先方で手を加えているからっぽいですね。
 ガタガタだった表示も、アップされたものに関しては意図どおりのかたちになっていました。

■KDPにアップロード

・24~48時間以内に公開されますとのことですが、割とサクッと公開されました。
・表紙はePubに含めないで良いみたいですが、僕は含めておきました。
・ミスをすると、どんな修正でも再公開までにまた時間を食うので、慎重にやりましょう。

あくまでも個人的な手順ですが、何かの参考になれば!