晋太郎作品に寄せられたイラストたち その33+α

こんばんは!夏ですね!違うか!
『マイ・ファニー・バレンタイン』のリリースから早3ヶ月。色々とあって作業できたりできなかったりな日々ですが、次回作の準備も一応は進んでおります。完成後にリリースを見送ることもちょいちょいあるため、実際にどうなるかはわかりませんけども、次は『イン・ザ・ドッグハウス』という(いつもの)やさぐれおっさんモノ、『Copy, Right?』という(恋愛メインではない)"オタク男子meets体育会男子" モノのいずれかを発表したいなーと。ともに中編ボリュームです。短編や掌編もあるのですが、短編集にできる分量はまだないので……、ともあれマイペースに楽しくがんばります!
と、いうことで、この3ヶ月間に頂戴したイラストの数々をご紹介させてください!

★門前三兄弟

まずはどうしてもこちらのイラストから。碌くんです。あまりにも多くを読み手に委ねてしまったことで反省のあるキャラクターなんですが、こうして魅力的に描いていただけてたいへん嬉しいです。読者の皆さんそれぞれのイメージがあるかと思いますけど、ポロさんの碌くんが見られてしあわせだなあとしみじみ……。2枚目のイラストで流れてる曲は、たとえばフィッシュマンズの "In the Flight" かなあ、とか色々想像しました。

啓史のイラストをいただけるのも嬉しいんですよねえ。啓史と甲太郎は相似的なところがあって、作中での直接的な接点はないものの、互いにすごーく気になる相手なのではないかなと思ってたりします。まあ啓史の方はバリバリ意識してる描写がありますが、それとは違う意味でも。しかし小麦色の啓史かわいい!清次の横顔もいい!

三兄弟、それぞれの魅力を切り取っていただけて……(合掌)。どれも好きですけど、やっぱり清次の "捻くれてるけど根はまっすぐ"、という感じを引き出して貰えているのが特にグッときました!

いやー、捏造というか実際に奴らはいちゃいちゃしてたと思うんですよね!というかしてました!しかし甲太郎の顔面がかわいい。デフォルメもかわいい。かわいいしか言えないのか、って感じですがかわいいもんはかわいい。ちゃんと個性が出てるっていうのがまたやばいですよね……。

★マイ・ファニー・バレンタイン

そして新刊です!ばんじゃくさんにいただいたダグさん(たち)!初めて目にしたとき「うわああ、俺のキャラとは思えない!」とまず思ったんですよね。こういうイラストをいただけるようになったのって俺的にはすごい変化というか、ずっと痩せたニーチャンばっかり書いてきましたから、「俺も太めのおじさんを書けるようになったよお!それをばんじゃくさんが絵にしてくださったよお!」と感動も二倍に。犬のダグさんも当然のようにクソカワで、その肩にポンと手を置く、冴えないけど優しそうなダグさんの丸っこい姿が本当に嬉しかったです。

こちらは黒森さんにいただいたイラストです!短編中編はキャラを立てすぎず、外見描写も控えめにしているのでイメージは本当に人それぞれになると思いますが、ユウくんの感じはばんじゃくさんのそれと通じるところもあって、なんだか不思議です。で、ダグさんはおっとり感が強くかわいらしい感じで「なるほど、なるほど!」と。黒森さんも俺と同じで基本は細めのキャラを描く方なので、ぽちゃっとした絵が見られて妙なお得感もありました。何も考えずに書くと俺から太めキャラは出て来ないんですけど、嗜好の幅が広がっているのを感じてもいるので、今後も色々とやってみたいなあ……。

その他、ご感想ツイートもドドンと貼りたいぐらいなのですが、さすがに自重します!ですが、頂戴したご感想めちゃめちゃありがたく拝読しております。ハイパーありがとうございます!!

★誕生日シリーズ(?)

薄情な作者が誕生日を忘れているというのに……いつもいつもありがとうございます!黒森さん、ナインのキャラクターの誕生日をずっと祝ってくれていて。前にも書いたかもしれませんが、書いてるに決まってるんですが、架空の人物の、それも2013年にリリースした作品に出てくる連中の誕生日を欠かさず祝っていただけるなんて至上の喜びです。まるで奴らが本当に生きてるみたいじゃないですか!
源太と健太はともに子供の日生まれなんですけど、黒森さんとポロさんでダブルに祝っていただけてまーじやばかったですね。間に挟まれてポワーッとしたいです……。
(あと、俺の誕生日にお祝いコメントくださったみなさんもありがとうございました!もう誕生日そのものはまーったく嬉しくないですけど、おめでとうと言って貰えるのはやっぱり嬉しいなと!)

そして以下は、カテゴリ別ではないですがポロさんのイラストです!

ウルフドッグのむにゅーん動画を元ネタに描いてくださったシロくん!シロくんは何しても怒らなさそうですよね、フフフ……。ウルフドッグを見るたびに「シロくん!」と作者はいつも思っています。

やー、もうこういうの見ると泣いちゃいますよね。生きてて良かった、みたいな。そしてがんばろう、という感じで。俺の青春のきらめきはもうだいぶ書き切った感があって、新たに書く必要性をそこまで感じてないんですけども、サマーフレンドみたいにテクニック(?)で書くことはできるとわかりましたし、書き始めちゃうと一気に脳内がティーンの頃に戻って楽しいので、これからも一定の頻度ではやりたいですね。
しかし琢磨のアホな彼女(思い出野郎Aチームっぽく)かわいいなあ。サンキューのイラスト、これはもう表紙にしたいよなあ……。

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いつもながら、本当にありがとうございます!イラストはもちろんのこと、皆さまからのご反応はめっちゃ励みになります!ありがとうーーー!!TOKYOーーー!!

門前三兄弟 -ゆく河の流れは絶えずして-

門前三兄弟 -ゆく河の流れは絶えずして-

 
マイ・ファニー・バレンタイン

マイ・ファニー・バレンタイン

 

『マイ・ファニー・バレンタイン』に登場する楽曲たち

ということで、例によって作中に登場する楽曲のエントリです!

まずはSpotifyのプレイリストを貼らせていただきますね(まーじ便利!)

マイ・ファニー・バレンタイン

マイ・ファニー・バレンタイン

 

そして以下、実際に作中で流れる曲だけYouTubeも貼っておこうかなーと思います。簡単なコメントつき。

『クロス・ザ・ルビコン』の冒頭より。スーパーボウルで割とボロクソに叩かれていたマルーン5です。この曲のMVはご覧の通り【結婚式のサプライズ】ネタなんですが、おそらくこの選曲も雄介の妻でしょうから、まーあ相性がいいのかもしれませんね。ちなみに僕はサプライズをするのもされるのも割と好きではありますが、他者を巻き込んでのやつは苦手です。

『オブスキュリティ・ノックス』のタイトルにもなっているトラキャンの楽曲です。視力とは何の関係もありません。トラキャンのこの曲は『春色ボタン』でも使ったのですが、この曲が特別に好きなだけで、バンドには別段思い入れはなかったりします。

『マイ・ファニー・バレンタイン』のタイトルで拝借した有名な一曲です。作中で侑が思い出すのはサラ・ヴォーンのバージョンだろうなと思うんですが、僕は俄然チェット・ベイカーが好きですねー。こんな風に歌えるイケメンだったらショーセツなんて絶対書いてねえ。

『スメルズ・ライク』のクラブ(ラウンジ)で流れている音楽です。僕はKOMPAKTレーベルが好きなのですが、ユルゲン・パッペはウォルフガング・ヴォイトやマイケル・メイヤーとともにレーベルを創立した人物です。このトラックは胸キュンですね……。
そしてイェジちゃんはもう最高にツボで!Boiler RoomでのDJプレイがお気に入りでいまだにちょいちょい聴いてしまいます。こういう感じのラウンジをイメージしつつ書きました。登場するクラブは、ロケーション的にはUNITっぽいですが、かつて渋谷に存在したクラブのイメージで書いてます。青春……。

やー、まあ特別に音楽が重要な小説たちではないのですが、例によってのご紹介という感じでした。今後も音楽はちょいちょい登場させてしまうのだろうなーと思いつつ、あまり引用に頼り過ぎないようにと、頭の隅に置いておきてえなとも思っております。いや、必然性があったらやりますけどね!

じゃあの!(よろしくお願いいたします!)

新刊『マイ・ファニー・バレンタイン』リリースのお知らせ

習作短編集・第4弾のリリースのお知らせです!

──といっても、第3弾は『ライク・ア・デイドリーム』ですから、実に3年半ぶりなんですよね。やー、その間、ほとんどの期間は死んでましたし、そうでないときは長編や中編にかまけていたため、短編を書く感覚は久々でした。
「あ、短編ってまーじトゥルッと書ける。ラク。自由で楽しい!プレッシャーもない!」という感じで気楽に進めました。主に昨年の12月にササッと書いた作品を集めております。習作ですので、お気軽にお読みいただけたら嬉しいなーと思っています。

ということで、以下、内容紹介です!

マイ・ファニー・バレンタイン

マイ・ファニー・バレンタイン

 

実験的な習作を詰め込んだ(広義における)BL短編集・第4弾。

<収録作品>
1.クロス・ザ・ルビコン
《親友》の結婚式で出会ったアラサーの男二人──。
"で、お前の方はどうだったんだよ。どうやって川を越えたんだ?"
奇妙なカップルが互いに過去を振り返る。
約12000字。

2.オブスキュリティ・ノックス
視力の低下を嘆く三十代の中学教師と、二十代の陽気な恋人。
"ものが見えにくくなったぶん、世の中の粗も全部見えなくなっちまえばいいのに……"
生徒たちの未来を憂う中年男の、とある日曜日の一コマ。
約16000字。

3.マイ・ファニー・バレンタイン
マッチングアプリで知り合った、顔さえも知らない相手──通称「ダグさん」。
趣味の合うチャット友達として一年以上が過ぎた頃、突然に彼が会うことを提案してきて……?
約31000字。

4.スメルズ・ライク(オマケ収録)
"知ってる? 感情にも匂いがあるんだ。
飼い主の悲しみに犬が寄り添ったりするのはさ、感情の匂いを嗅ぎ取る受容体を持ってるからなんだよ"
《社会》からドロップアウトした三十男と、《学校》からドロップアウトした青年の風変わりな会話劇。
約15000字。

今回の特徴としては「三十代の男性がメインの作品がほとんど」ということになるかもしれません。まあ俺も歳食ったもんなー、としみじみしたんですが、冷静に振り返ってみると『タイニー・リトル・ミラクルズ』も似たようなもんでしたね。なのでいつもの《おっさん×青年》をお楽しみください!でも良さそうな気もしつつ、明らかにおっさんに焦点が合っている感じはやっぱりちょっと変わったんじゃね?とも思います。まーあ、どうでもいいですね!

ところで、表題作の『マイ・ファニー・バレンタイン』だけは昨年の春頃、『Dear, Summer Friend』『フィッシュ・イン・ザ・シー』と並行して書いていたものになります。当時【10代のキラキラ】、【30代のウジウジ】なんて表現をした覚えがありますが、これについては【20代のグラグラ】みたいな感じかなーと。

どうかどうかよろしくお願いいたします!!

晋太郎作品に寄せられたイラストたち その32+α

こんばんはー!久々に……でもないというのが非常に嬉しくて、そしてありがたくてたまらないのですが、今宵も頂戴したイラストのご紹介をさせてください。まずは、新刊『門前三兄弟』に寄せていただいたものから……!!!

毎度ながらのことではあるのですが、今回は特に!!念願としか言いようのないポロさんのイラストです。というのも、ここまで僕が執筆を続られた大きなモチベーションのひとつに、ポロさんに届けたいからという思いがありまして、三兄弟の初稿を書いている時点でもう、彼等を描いて貰えたらいいなあと切に願っていたわけなんです。未完成の原稿をあまりにも長く眠らせていたことも手伝って、こうやってイラストにしていただけるのは感慨深いというか、ほとんど感無量ですね……。村田ポコさんにデザインをいただいたときも泣きそうでしたけど、またもウルッときてしまいました。
三兄弟たちのイラストはもちろんなんですけど、やっぱり女子キャラを魅力的に描いていただけたことがやばいぐらい嬉しいです。真帆と更紗の並びを想像してグッときてしまったり。

(実は真帆は、お蔵入りになった『日昭高校映画部』のお話(ナインのスピンオフ)の登場人物だったので、いちばん古いキャラクターなんですよね。その彼女をこうして拝める日が来るなんて不思議な気分です。ちなみに『日昭高校映画部』の話には猿川くん、犬伏くんというキャラがいたんですが、彼等はのちに名前だけ流用することになりました。)

──と、脱線してしまいましたけども、どのイラストもまなざしが素敵で、他のキャラクターとの関係性のイメージが膨らむようなものになっていて、ただただ嬉しいです!何気にティーン組を全員描いていただいていて、「清次の口もとがいい!」「陽之助、確かにフレッドペリー着てそう!」「あああああ碌、めっちゃ優しそう!」「啓史、うっとうしそう!腹たつ!かわいい!」などなど延々と書いちゃいそうですし、正直を言うともっと細かく言及したい要素も多々あるのですが、過剰になってしまうので自粛しておきます。一点、花が咲いているのがとってもとっても嬉しいです……🙏

黒森さんの三兄弟です!
目にした瞬間「うわー、黒森さんの三兄弟だ!!」と当たり前のことを思ってしまったんですが、それぐらい黒森さんの三兄弟ですよねえ。こういうのをトートロジーといいますが……。三人それぞれにらしさがあり、構図も素敵で嬉しいです!

執筆当時だか推敲中だか、もはやその辺りの記憶すら曖昧なのですけども、清次は黒森さんに捧げたいなーと考えていたことを覚えています。でも、黒森さんの日常ツイートを見ていると、甲太郎の方が自然と仲良くなれそうな感じかも?と思ったり。いずれにせよ、読んで欲しい方に読んでいただけて、こうしてイラストまで頂戴して、心からありがたく思います。何度も書いてしまってますが、コンスタントにずーーーっと応援してくださっていた黒森さんにどれだけ支えられたかわからないんですよね。はー、甲太郎かわいい!

啓史くんは読者さんに描いて欲しかったキャラ1位みたいなところがあったので、これまたもうめちゃめちゃ嬉しかったですねー。「おい、大猿ー!!!」みたいな感じで。清次が素でウザがり、更紗が「ったく……!」みたいになってるとこもまた……😌

そして、ばんじゃくさんの甲太郎&甲生親子!(そして白猫!)
こうしていつもたまらないイラストを描いてくださるばんじゃくさんですが、僕は一読者であり、純粋にファンなので、もう「うわあああ!!」以外にないんですよねえ。ただ、この『門前三兄弟』に関しては、僕が活動できなくなってしまった時期にも『うなばらバタフライ』(海原三兄弟!)がどんどん先へ進んでゆくのをずっと読んでましたから、やーーーっとリリースできたうちの三兄弟を、ばんじゃくさんがばんじゃくさんのタッチで描いてくれている!!と、殊更におかしなテンションに……。

甲太郎がかわいいのはもちろん、甲生がなかなか頼りになりそうな感じで「うわー!」でした。清次も陽之助も、もっとわかりやすく父を敬えよ!という気にもなりますね。しかしともあれ、いい親子をしているふたりにキュンキュンです。

ばんじゃくさんには個人的にエールを頂戴した感もあるので、しっかりエネルギーやモチベーションに変えさせていただいて、今後も頑張りたいなと思っています!押忍!💪

門前三兄弟 -ゆく河の流れは絶えずして-

門前三兄弟 -ゆく河の流れは絶えずして-

 

ということで、三兄弟のイラストはここまでで、以下は他作品のものになります。いやー、本当はご感想ツイートも全部貼りつけたいぐらいの気持ちです!DMやメールをくださった方、Amazonレビューを書いてくださった方、そして読んでくださったすべての方にお礼を申し上げたいです!ありがとうございますー!!

(未読の方はぜひぜひぜひぜひご一読を……!!!)

こちらはひまさんのイラストです!前回のエントリでご紹介させていただいた、日昭ナインの続きで、勝利くん!やー、もー全員分並べてニヤニヤしてしまいました……。
どのキャラも個性と魅力を引き出していただいているのでぜひぜひ前回のエントリと併せて見ていただきたいのですが、勝利くんも最高にいいですねえ……。だってこの笑顔!誰と一緒でもこの笑顔なんだろうなあと思うと余計にキュンときます。

みかんーーーー!!!🍊
笑っちゃうんですけど、でもやっぱりポロさんのマサゲンだから特別!

リリースから5年経ってなお誕生日を祝って貰えるこの喜び!ありがとうございます!現実と同じだけ時間が流れていたら23歳のはずですが、『三兄弟』の世界ではまだ20歳ぐらいのようです。裕也と琢磨だけはアラサーの姿を描いてみたい気もしますね……。

いつもありがとうございますー!
ハッシュタグまで作っていただいたり!報いたい!

ナイン・ストーリース? -球児九人夏物語- side A ナイン・ストーリーズ

ナイン・ストーリース? -球児九人夏物語- side A ナイン・ストーリーズ

 

さて、次回のエントリは、4冊目となる習作短編集『マイ・ファニー・バレンタイン』のリリース告知になる予定です。「タイトル的に2/14がいいんじゃないすか?」みたいなことを言われたので、「バレンタインデーはいっさい関係ねえけどそれもありかあ」ということで、今週末ぐらいにアップできたらなーとぼんやり考えてます。今週中にePub(mobi)ファイルの最終チェックをして、「出してもいいや!」と感じられたら……ということで。習作短編集なのでハードルは低めに、フットワーク軽めに行きたいとは思うのですが。

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どうかよろしくお願いいたします!
それではまた!!

無料キャンペーンのお知らせ&2018年の総括など

やー、2018年もいよいよ終わりですねえ。
ということで、平成最後の大晦日総括やご挨拶などを雑多に含んだエントリを立てさせていただくことにしました。のですが、まずは現在行なっている無料キャンペーンの告知をさせてくださいませ!

ナイン・ストーリース? ー球児九人夏物語ー side A

ナイン・ストーリース? ー球児九人夏物語ー side A

 
晴れでも雨でも -Shiny Side-

晴れでも雨でも -Shiny Side-

 

こちらの二作品、その上巻が無料となっています。 おそらく本日12/31の夕刻17時までですので、未読の方は無料分だけでもトゥルッとDLしてやってくださいー。ともに僕の代表作であり、お気軽に読んでいただける内容の作品ではないかと思っております。

では、以下は2018年の総括的な感じで……。

Dear, Summer Friend

Dear, Summer Friend

 

2018年は僕にとって《再起》の年だったなーと思います。
ほぼ2年間(!)何もできないような状態でいましたが、衝動的にこの『Dear, Summer Friend』という作品を書き始めたこと、そのまま一気に完成まで強引に持ち込んだことでコンディションが少し変わったように感じます。「あー、小説ってこういう風に書くんだったなあ」という感覚が内側に蘇ってきたというか。
とても新鮮な気持ちで、原点に立ち返るような思いで楽しく執筆できたことが僕の中では大きかったのですね。「別に新しいことをやらなくてもいいじゃん!」と肩の力が抜けましたし、「こういうのまだ書けるんじゃん、俺!」とささやかな自信にも繋がりました。我が子ながら、永吉と憲伸が心から愛おしいです。xoxo!

ウィル・グレイソン、ウィル・グレイソン (STAMP BOOKS)

ウィル・グレイソン、ウィル・グレイソン (STAMP BOOKS)

 

僕に衝動を与えてくれたのがこの本、そしてこの本に登場するタイニー・クーパーくんであったことには何度でも触れなければいけません。
言うなれば僕は「自転車の乗り方がわからなくなってしまった」「それどころか恐怖を感じる」状態だったんですね。だけどこの本を読んだとき、どうしても自転車に乗る必要が生まれてしまった。乗らないことには辿り着けない場所が見えてしまった。じゃあ乗るしかない。乗った。運良くフラフラと前に進めた。止まったらもう二度と乗れないかもしれない。ペダルを漕ぎ続けるしかない……!
と、そういう具合に本の力に動かされて書いたからこそ、本の力を信じる憲伸が生まれたのかなーと思います。タイニーがいなかったら永吉は生まれていない、というのは言わずもがなですけれど。

そんな永吉くんが好きな曲のプレイリストも公開しました。永吉というキャラクターがよくわかるリストになっているのと同時、単純にいい曲がいっぱいですので、ドライブやピクニックのおともに使ってやっていただけたら嬉しいです。

フィッシュ・イン・ザ・シー

フィッシュ・イン・ザ・シー

 

サマーフレンドと同時執筆&同時発売だったのがこちら。この二作は鏡映関係である、というご指摘を複数受けましたが、サマーフレンドを書き上げるためには逆側に重しが必要だったという感覚が僕にはありますので、相似的になるのは必然だったのかもしれません。これがなかったら自転車は確実に転倒していたことでしょう。
ただ、サマーフレンドを書き上げるための一本ではありましたが、自分をリスタートさせるうえで重要な話だったよなあという思いは強くあります。俺は膿を出さなきゃいけない、そして主人公をあるていど突き放さなければいけない、そういう気持ちをずっと抱えていましたので。
ともあれ、この作品は「こういうのを書いちゃったんだから、今後はもっと色々やれるべや」という感覚にも繋がりました。これをひとつのターニングポイントとして、今後の作風を広げられたらいいなあと思っています。

作中に登場する楽曲のプレイリストも作りました。セロニアス・モンクは『Run, Jump and Throw.』という未発表中編からの流れなのですが、そちらもいずれは公開しようと思っています。ただ、あまりにもバランスの悪い自己弁護的な作品であるため(その反省があったからこそ『フィッシュ』は完全な救いを設けない構成となりました)完全に他人事になった頃にリリースしようかなあと。

門前三兄弟 -ゆく河の流れは絶えずして-

門前三兄弟 -ゆく河の流れは絶えずして-

 

2018年最大の出来事はこの作品を手放せたことです!
手放すという表現は望ましくないなと思いながらも、率直な実感としてはやはり「手放せた」なんですよね。《再起》するためにはどうしてもリリースが必要で、そのために現状の自分にできるベストを尽くしました。この作品を完成まで導いたことについては自分をめちゃめちゃ認めてやりたいですし、その過程で得たものや、決して少なくない反省点たちは今後に活かしたい……というのが偽らざる今の気持ちです。

リリースして間もないですが、多くの方にお読みいただけてただただ感謝です!頂戴したご感想の数々を胸に、今後も頑張ってゆきたいと心から思っています。なんと言えばいいんでしょう、「この先の俺にまだ期待して貰えるんだ」と強く感じさせてくださってありがとうございます!というか。

『三兄弟』は言ってしまえば、全作品の中で最も「社会派」の色が強い一本となりましたが、次はもっと私的な領域に戻りたいなと今は感じています。僕が日頃考えていることはどうやっても作品に織り込まれてしまうわけですし、もっと肩の力を抜くべきだろうと。今回、自分の領分がどこにあるのか、あるていど正しく掴めたような気がしていて……と、ちょっとまだ上手く言えない部分が多いのですが、以上の全部を引っくるめて、とにかく俺はこの作品をリリースしたわけなんですよ。一定のクオリティは担保したつもりです。当然、めちゃめちゃ読んで欲しいですし、作品としての意義もあると思ってます。もちろん、深く愛しています。けど、絶対に絶対にもっといいもんを書いてやるからな、シンプルに!的な思いを俺はめちゃめちゃ胸に抱いています。上手く言えねえ!

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と、猛ってしまいましたが、2018年は小説以外のことにもチャレンジする機会を賜りました。もはや僕が改めて説明する必要もないぐらいメジャーなゲーム、『東京放課後サモナーズ』です。僕は先日公開された中津木キュウマくんのキャラクタークエストに参加させていただいています。
打診をいただいたとき、僕は『放サモ』はおろかいわゆるソシャゲの知識も皆無に等しかったのですが、実際にプレイをしてみたところ「あー、これは面白いわ……」と膝を打つ感じで、こうして関わらせていただけたことをとても光栄に感じています。勉強になることが非常に多く、「ああ、すごいことをやっているなあ。ゲームってすごいなあ」と素朴に感動してしまうような感覚もありましたね。これだけ娯楽要素がギッシリで、しかもまっすぐにエンカレッジするのって最高じゃないかと。
僕としては、とにかくこのゲームの世界観とキャラクターのファンをがっかりさせたくない、絶対に裏切りたくないという一心で事にあたりました。僕なりのキュウマ愛もギュッと詰め込みましたので、楽しんでいただけていることを心から祈っています!

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ということで、2019年です。2019年の一発目は『マイ・ファニー・バレンタイン』という短編集でいくことに決めています。上の画像は仮ですが(というか三兄弟の表紙で同じ書体を使ってしまったのでどうしようかなーとなってます)ともあれ習作短編集の第4弾です。表題作はサマーフレンド&フィッシュと同時に書いていたもので、その他は三兄弟の推敲中に書いていました。いずれも自由に楽しく勢いだけでダーッといったお話ですので、肩肘を張らずに読める内容になるかと思います。

今は完全に頭が短編モードになっているらしく、アイデアがポンポン出てくるので楽しいんですよー!長編を手放したことでメモリが解放されたような感じなんでしょうね。何本か完成したら短編集にする、という流れを二回ぐらいやりたい気持ちでいるのですが、まあ、人生色々ありますんでこのモードが突然断ち切られてしまってもがっかりせずに、マイペースにやっていきたいなと。穏やかな一年であって欲しいなーとは思いますが、2018年にしても職場が完全に新しい組織に生まれ変わったり、家族がバタバタ倒れたりと色々ありましたし、そういうのは自分の意思だけでは避けようがないですからねー。くわえて俺はトーフ・メンタルで、過剰な愛を持て余しているので。
何にせよ、当面は長編を避け、ゆっくりと感覚を取り戻してゆきたいです。やっと再起しかけているので、「気軽に書いて気軽に出して気軽に読んでもらう」路線でいきたいですね。継続できること、それがいちばん大事ですし。

 

やー、長々と書いてしまいましたが、僕の作品を読んでくださった皆さん、応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。七転八倒を地でいってますが、今後もヘタレな晋太郎を見守ってやってくださると嬉しいです。頑張ります!

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では最後になんとなく、2018年に僕がよく聴いた曲のプレイリストと、そこには加えなかった3つの珠玉の楽曲を。

Homecomings、うちの甲太郎が絶対好きなやつです。七尾旅人、2018年の暮れに最高に最高なアルバムをドロップしてくれました。思い出野郎Aチーム、彼らは俺のサウンドトラックを作ってくれてるぜ!と感じてしまうぐらいに好きです。去った去った去った!ちくしょう、最高だ!どうか良いお年を!