新刊『Super Short Stories vol.1&2』リリースのお知らせ

ご無沙汰してます、晋太郎です。
久々に新刊リリースのお知らせをさせてくださいませ!

『Super Short Stories vol.1』&『Super Short Stories vol.2』

twitterに掲載していたお遊び掌編をまとめた作品集。
 それぞれショートストーリーを40本ずつ収録(vol.1は10万字、vol.2は12万字)

・実験作、悪ノリ、時事ネタ、社会風刺、思いつき、いつもの路線……と幅広い習作が詰まっています。
「気軽に書いて気軽に公開!」を実践していた習作群なので玉石混淆ではありますが、
 隙間時間のおともとして、お気軽に楽しんでいただけましたら嬉しいです。

・巻末に各作品への(どうでもよい・たわいもない)ひとことコメントを収録。

★vol.1 収録作品
01. 異世界サーファー
02. 運命の人
03. レフトとライト
04. 辛い日にはシュライヒ
05. 大輔くんは時間を止めたい
06. 動物たちと文化の盗用
07. スティル・ファジー
08. 足立区テネット
09. 越冬のためのアパルトマン
10. ワンチャン・トーカー
11. テレパスとベイビー
12. 猪熊イワオのクリスマス
13. 相撲部員、ラッパーを目指す
14. 我ら来冬阻止団
15. 教育の失敗
16.(ボーイズラブとしての)香水
17. セレンディピティ
18. シンプルにデリケート
19. 優しい教室
20. 猪熊イワオのホワイトデー
21. 雪男の友人と春の訪れ
22. 3月17日のキッチン・ダンサー
23. フール・オン・ザ・フィールド
24. セパレート・パレード
25. ラブ&ファット
26. スキップとスリップ
27. ヤンキーとメンタルヘルス
28. ホエン・アイム・シックスティ・フォー
29. 失われたフォーク
30. 君を待つ間
31. 猪熊イワオのゴールデンウィーク
32. 並行世界のあなたは
33. この広大な世界とゲイビデオ
34. セックスと嘘とソーシャルネットワーク
35. セクシャルハラスメントに関する記憶と自省
36. 詩人の後輩
37. 猪熊イワオのサマーキャンプ
38. 光と闇についての散文
39. チルアウト温泉
40. 小さな爆弾

★vol.2 収録作品
41. 夏と野良犬
42. ティーンエイジ・シップス
43. イン&アウト
44. ニヒリズム
45. アホな後輩
46. 猪熊イワオの打ち上げ花火
47. 狼男の恋人と彼の告白
48. ファックはファック
49. 彼方からのつぶやき
50. ここではないどこか
51.(概念としての)壁を打ち破る
52. 人工知能と精神的な健康
53. 逆バートルビー
54. バーンアウト
55. お父さんと刺青
56. PC(ポジションチェンジ)
57. 後悔を伴う入浴
58. 銭形警部症候群
59. 星に願いを
60. 愛と罪
61. 月灯りにゾンビ
62. 世界の終わり
63. gaydar girl
64. こぼされるべき涙
65. ポリ・コレ
66. ペアリング
67. テセウスの船
68. 地味なボディスワップ
69. 愛について(Men in Pink)
70. DJグッバイ
71. 運命の人(ヒトじゃないバージョン)
72. その十年が過ぎました
73. 定点観測(あるいは超人ニーチェの正しさ)
74. The world is your oyster
75. よりよくなりたい
76. はっきり言って遭難です
77. 私情と詩情
78. グラスの中の宇宙
79. ひと思いに優しく
80. 互いにもう死んでいる

以上、特に付け加えることもないかな? という感じなのですが、「電子書籍にしてほしい」という(一部の方の)声にようやくお応えできて嬉しいです。そして、本当に久々のリリースができたということも、なんだかんだ嬉しい〜!!

もちろん「ホントなら中編以上の作品をお届けしたかったよなあ……」の思いもあるんですが、コロナ禍とあれこれが重なってマジのマジにキツかった時期に、これは《自分がどうにか足掻いていた証》のようなものでもあるので、こうしてパッケージ化できるのはちょっと感慨深いところもあるんです。

ともあれ、当面はこのまま「継続すること」を第一に小さく活動するつもりでして、次は30本ぐらいたまったらvol.3を出す感じになる……のかな? 未発表の短編・掌編がけっこうあるので、そういうのもボーナス収録できたらなとほんのり思いつつ、でも決して無理はしない方向でいきたいですね。セルフコントロール……。

ともあれ、小規模に、休み休みでもどうにか継続できているのは、いつも反応してくださる皆さん(いいねやRTにどれだけ励まされたことか……!)、いろんなかたちで応援してくださる皆さんのおかげですので、本当の本当にありがとうございます!!

今作はすべて発表済みの習作群なので、積極的に「買ってください〜!」と言いにくいところもあるんですが、バラエティに富んでいて、掌編でしかやれないことをたくさんやっている感じではあるので、そういった部分を楽しんでいただけたら嬉しいです。

既にお気に入りの一作がある方、知らんけどちょっと気になるぞという方は、応援の気持ちでご購入をいただけましたら……どうぞよろしくお願いいたします!!

掌編小説・ナイン10周年・何かやりてえ

いやー、なんと3年も放置しちゃってました。こわ!
なのですが、その間 twitter / X にて4ページの掌編小説を大量にアップしていたので、今更かよな感もありつつリンクを貼っておきます↓↓

ゆーてこれを書いてたのも1年半ぐらい前までで、そこからはマジで(自分のための原稿は)まっっっっったく何も書いていなかったんですよねえ。

ただ、精神的に死んでるとはいえこのままだと永遠に何も書かんかもなーという気もしてきたので、たとえば忘れかけていたブログを動かしてみるとか、(プラットフォーム的に避けたいな〜と思っていた)noteに雑文を書いてみるとか、(俺のスタイルには合わないやろ〜と思っていた)コミッションを受け付けてみるとか、わかんないですが、まあ何かしら手を動かしてみんべかーと思い立ってここを更新しております。

ほんとは↑↑な感じで掌編小説集を電書化する予定で、コーディングもルビをつけるとこまでいってたんすけど…………やー、ミャンマー国軍やロシアが悪い!!!!(半分以上本気)

ということで、ともあれ何かしら動きてえです。何かしらって何なん?とは自分でも思ってるので、何か案があったらぜひぜひ声をお寄せくだせえ(他力本願)

ちなみに今ちょっと動きたさが込み上げているのはまず間違いなく、↓↓のようなイラストをいただいたことが大きいです、ありがとうございます!

(じつのところ前回の更新以降にいただいたイラストは他にもけっこうあるはずなんですが、ちょっともう発掘もできそうになく……ニンゲン、オロカ……)

 

やー、とりあえずのところは

 ①エロ動画マシンと化してるMacBookくんを毎日開く
 ②なるべくフッ軽に思いついたことはやってみる
 ③今までやらなかったことにもチャレンジしてみる

みたいな感じっすかねえ。クッソぼんやりしてるけど溜まりまくってるのは間違いないのでなんかこう、動くモードに入れたらいいな〜。あとこれはお願いなのですが俺は求められるとやる気が出るクチというか求められることでしかやる気が出せないクチなのでウェイウェイ求めまくってください!お願いします!!ほんとに!!!弱虫!!!!

晋太郎作品に寄せられたイラストたち その35

こんばんは、晋太郎です!
新刊『ティーンエイジ・キックス』へのご感想、イラスト、Amazonレビューなどなどを早速お寄せいただいていて……みなさま、本当の本当にありがとうございます!
以下、まずはそちらのイラストを、頂戴した順番に紹介させてくださいませー!

『犬小屋』の際にもイラストを寄せてくださったたかさきさん。「俺のキャラどもが、たかさきさんのタッチで!」という喜びはケモノバージョンでも人間バージョンでも変わりませんね……!

とても丁寧に描いてくださっていて、スケくんのウルトラブーストが配われていたり、主要キャラ以外までが拾われていたり……全体的に作品を尊重してくださっている感じがヒシヒシと伝わってきて泣きそうでした。個人的には「ちょっと太めのキャラを登場させて良かった!」みたいな思いも。ペイくんいい顔!

てりあさんによるWRDCの面々。かなり気合いを入れて描いてくださったのがわかる力作で、作者として伝えたかったものというか、読者さんと共有したかったものというか、とにかくそういうものをバッチリ受け取っていただけたんだなーという気持ちになりました。本当に報われる思いです、いつもありがとうございますー!

ペイくんへの熱い思いを書いていただいたので、彼はてりあさんに捧げようかな……いや、好いてくださった方みなさんに捧げるのはもちろんなんですけども!

いつも最高にかわいいイラストを寄せてくださる英さんによる3人。今作は割とファッション好きな連中が登場するのもあって、英さんのイラストは絶対に合うよなあ……などと勝手に妄想してましたが、やっぱり物凄くしっくりきていて「ワー!」となりました。

「文章ではサラッと書けるけど絵にするのは厄介」なものを気軽に扱えるのは小説の特権なのでついついやっちゃうんですけども、それをいざ絵にされてしまうと「うわあ、マジですげえ……」となるのと同時、感謝の念でいっぱいになります。小物・ファッション完全再現のQくん、最高にキュート!抱いた!(アカン)

いつも素敵なご感想とともにファンアートを添えてくださるうっちいさん。作中の文章を引用してもくださってます!
ネタバレにも配慮しつつの【印象に残ったフレーズ】ということなのですが、作者的にはサラサラッと書いたような箇所だったりもして、きっと僕が想像してる以上にみなさんそれぞれの読み方をして下さってるんだろうなあ、読書体験っていうのは完全に個人のものなんだよなあ……というようなこと(言うなれば当たり前のことなんでしょうが!)に改めて思いを馳せました。

ご感想をいただく際に具体的なセンテンスなどを伝えられることは決して多くはないので、いつも発見があって作者的にはたいへん面白いです!そういうのもぜひ教えてください!

うあー、誰かに元気づけてほしい!と僕がどこかで思っているタイミングでよくイラストをくださる黒森さん。僕がヘコみがちなのもあるでしょうし、コンスタントに絵を描き続けてくださっているのもあると思うんですが、何にせよ僕が活動を継続するうえでとにかく力をくださってる方です。

なので、今回は執筆中からこの一球くんは黒森さんに捧げようと決めていて、それもモチベーションのひとつとしていました。無論「みんなの一球!」ではあるんですけど、一球風に言うと "dedicated to Kuromori-san!!" な気持ちはどこかにあって。

──ということもあり、一球(ATCQ Tee着用)を描いていただけたのはめちゃめちゃ感慨深かったです。とにかくかわいいし、3人の無駄な距離の近さも嬉しい!そして個人的にこのペイくんはたいへん俺のタイプなので……抱いた(アカン)

すみません、これは寄せられたっていうか俺が描いたやつです。イメージイラストを描くのは何気に久しぶりでした……といっても一球を描いたのが初稿完成後、ペイくんを描いたのがリリース直前、スケくんに至っては発売後に描いたので、このイメージが本文に反映されたりはしてません。

あくまでも小説が本分だぜ!みたいな気持ちがあるのでイラストは…………なんですけども、絵を描くとがぜん興味を持っていただきやすいなというのも今回感じたので、ちょちょい描いたりはしてこうかなーと思いました。小説のために…………絵を?

ティーンエイジ・キックス

ティーンエイジ・キックス

 

さて、ここからは新刊リリース以前にいただいたイラストです。あまりにも長い期間を空けてしまったので、すべて拾い切れていないかもしれません。
やー、もうなんかバタバタだったんすよね。本当にずーーーーっと余裕がなかったなあとしみじみ……。ポコチンからでっけえ石を大量に出したりもしてましたしね!たいへんなことが多すぎる!!
ということで溜めに溜めてしまいましたが、やっとこ紹介をさせてくださいませ!

こちらは黒森さんによる『Copy, Right?』の二人。ぽわーんとした感じの殿馬くん(序盤のバージョン)がかわいい!これはこの作品に寄せていただいた唯一のイラストなのに、紹介が遅れまくってしまって……俺のアホー!

この作品は実になんてことのないお話で、ロマンスが盛り上がるわけでもなく、むしろそこから遠ざかってくようなとこすらあるんですが、個人的にはけっこう気に入ってます。というのも「今後は話のバリエーションを増やしてゆきたいんや!」という思いが伝わってくるので。これを書くためにはスタンダードな話の蓄積が(自分的に)必要だったよね……みたいな気分にもなりますし。

実のところ「果たしてこの話を書く権利が俺にあったのか?」みたいな問題もあるとは思うんですが、こういう話はとにかく全然ないし、まずは世に存在させてゆきたいよなあと。

Copy, Right?

Copy, Right?

 

こちらは『門前三兄弟』のイラストです!

まずはポコさんによる公式絵、しかもこのレアなタッチ!!
あまりにテンションが上がって甲太郎のイラストを長いことiPhoneのホーム画面に置いてたのを覚えてます(なお、その前は英さんが描いて下さった永吉で、今は……スティーブン・ユニバース!!)

そして黒森さんによる愛のある甲太郎&清次。キャラクターのパーソナリティが伝わってくるイラストでとても嬉しかったです。陰のある尖った清次もいいですが、やっぱりカメラを持った甲太郎の笑顔がたまりませんね……。

てりあさんの甲太郎もやはりカメラを持っていて、淡い光の中にいる感じが嬉しかったです!こちらは僕の誕生日にいただいたもので、それも嬉しかったー!

門前三兄弟 -ゆく河の流れは絶えずして-

門前三兄弟 -ゆく河の流れは絶えずして-

 

こちらは僕のキャラクターたちの誕生日に頂戴したもの。源太と健太は同じ誕生日なのでした。というかポロさんの絵はもうそれだけで泣けてしまうー!宝物ー!

黒森さんはナインの全員の誕生日をお祝いしてくださっていて、しかもそれがもう一度ではないですよね……?という感じなので、この数年の俺がどれだけ支えられたかは想像に難くないと思います。本当にありがとうございます!!

晴れでも雨でも -Shiny Side-

晴れでも雨でも -Shiny Side-

 

こちらはまたまた僕の誕生日に頂戴したもの。

ひとつめは、ばんじゃくさんの成道&ヨーさん!
僕にとって成道はちょっと特別なキャラというのもあるんですが、ばんじゃくさんの成道はとにかくかわいくて、期間限定公開だった『Do You Remember the First Time?』『地図とランドマーク』という短編に寄せていただいたイラストなど、未だに繰り返し見返してデレデレしてます。誕生日イラスト、最高に嬉しかったですー!

そして、黒森さんのこれまた笑顔がかわいい永吉くん。
「永吉、酒はアカン!!」って作中で未成年に酒を飲ませるどころではない作風の僕が言うとギャグになりますが、僕が社会的に正しくないことを積極的に書いているときは、不寛容さへのカウンターであったり、スティグマを濯ぎたい思いであったり、嗜癖であったり色々なんですよ。嗜癖とか言い出すと台無しなのはわかってます!

タイニー・リトル・ミラクルズ

タイニー・リトル・ミラクルズ

 
ライク・ア・デイドリーム

ライク・ア・デイドリーム

 
Dear, Summer Friend

Dear, Summer Friend

 

ということで、本当に素敵なイラストをありがとうございましたーーー!

正直なところ、私生活で戦い抜いた直後の満身創痍なリリースだったのもあって、今は気抜けている感も否めないのですが、気持ち的に区切りがつきましたし、みなさまからエネルギーを頂戴しましたので、まだまだ続けてくぞお!という思いもしっかり生まれております。

次は気負わない、どうでもいい感じの短編集がいいなあ……とか言ってても俺はついつい何かしら盛り込んでしまうのかもしれません。『ティーンエイジ・キックス』も『オブスキュリティ・ノックス』を書いたことで、「あー、俺はこの辺のことをもうちょっと真剣に書きたいんじゃね?」となって生まれた側面があるんですよね、たぶん。

ともあれ、まずは夏を楽しみたいと思います!小規模に、できるだけ安全に。
(合間にちょいちょい短編も書くような気がしてます!)

引き続き『ティーンエイジ・キックス』を、そして近年の力作たち(『イン・ザ・ドッグハウス』など!)をよろしくお願いしますー!!

『ティーンエイジ・キックス』に登場する楽曲たち

こんにちは。新刊をご購入くださったみなさん、早くもご感想を寄せてくださったみなさん、本当の本当にありがとうございます!引き続きリアクションをお待ちしております!

ティーンエイジ・キックス

ティーンエイジ・キックス

 

さて、例によって作中に登場する楽曲+αのエントリです。いつもはリリースからもう少し時間を置いている気がするんですが、今回は音楽とともに楽しんでほしい思いが強いのもあって、早くもやっちゃいます。
ただ、全曲紹介するとさすがに多いやろ!って感じなので、ここでは一部抜粋しつつのご紹介にしようかなと。(*Spotifyの方はおおむね全曲になってます)


「昼休みは放送委員が好き勝手に曲を流している」ってことにすればやりたい放題やん!という実に安易な考えで設定を作りました。どんな高校だよ……。ちなみに小学生の頃ではありますが、俺はそれをやってた覚えがあります。放送室でメシが食える特権つきで楽しかったです。


 『コーヒー&シガレッツ』経由で仁平が好きになるトム・ウェイツ。本当は "Downtown Train" にしたかったんですけど、歌詞的にコレだと面白いかなーと。
ただ、実際にカラオケに入ってたらなかなかヤベエですよね。これを半裸で歌ってる太めの高校生はもっとヤベエですけど。どんな気持ちで聴いていたらいいのか。


何の意図もなくリル・キューが "ラクガキ" に使ってしまった曲はコレ。最後の方で一球くんが着るティーシャツもN.W.Aです。
しかし仁平は一球のために古着を買い置くとか、割と度を越してますよね……相思相愛で末長くハッピネスしてほしい。今作のいちばん強いカップルはペイ&Qでした。


一球が特に好きなのは「チャンスくん」でしょ!というのは最初からなんとなく決まってました。そしてこの曲のかわいい感じ、"I've got plans to hug and kiss ya♡" とかめちゃめちゃ一球だなーと。
しかし彼はLPを買うだけでなくiPodにまで曲を入れてるので、今時の高校生としては相当に変わってますよね。お金に困ってないからという前提はありそうですが、リスペクト!の対象にはお金を払いたい子なんやと思います。


ラッセルを持ち出すためだけに使ったゴリラズです。これは『Demon Days』の収録曲じゃないんですけど場面の雰囲気的にはこんな感じかなーと。
ここでも "今" っぽくするならスロータイくんとの新曲か?ともチラッと思ったんですけど、それだとその時点で早くも仁平が踊ってしまいそうな気配もあって。

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金田からラッセル(右下)に変わるって結構だよな、仁平……。
たぶん輪郭とか眉毛の感じが似てるんだと思います。


音楽は好きだけど特別にのめり込んだりはしないぜ、みたいな壮亮くんがググッと惹きつけられるムラ・マサ。この曲を作中で使った後に『R.Y.C』がリリースされ、「うわー、アルバム全体もシンクロするじゃんか!ビデオはダサいけど!」と盛り上がりました。
2020年リリースのこの作品を用いたが故に「コロナのない世界」であることの不自然さが際立ってしまったんわけなんですが、作品のトーンに影響を与えたアルバムなので取り下げることもしたくなくて……。ともあれ、このBPMで踊る仁平は相当キレキレなんだろうなーと思います。


ドゥ・ザ・ライト・シング』のティーシャツを着る一球。"Fuck Tha Police" の件も含め全体的にですが、ジョージ・フロイド氏の事件〜BLMの巨大なうねりが起きる前に書いた作品だったこともあって、これを今出していいんかな……とかなり悩みました。もちろん一球にも彼なりのバックグラウンドがあるわけなんですが、表向きはただただ無邪気だしなあと。当初は「ムーキーからラヒームに、ってぐらい背が伸びた」みたいな描写もあったんですが、そういうのは削除しました。


昨年の暮れに出た『No Holiday』がキムの遺作となってしまい(ALS、筋萎縮性側索硬化症との闘病を続けていたそうです……)執筆当時によく聴いてたんです。I don't know why you're so glad / when my head's filled with sorrow / So maybe if I fade away / there'll be no sad tomorrow とサビで歌われていて、以前から「切ねえけど大好き!」と思ってましたが、執筆中はこう余計に色々感じるものがあって。名曲。


作人が聴いていたフランク・オーシャン。他にもこんなアーティストが好きなんだろうなあ、そして一球(たち)に色々教えたんだろうなあ、などと妄想してたんですが、作中では使いませんでした。
なお、件のティーシャツは90'sのヴィンテージ古着っぽいので、一球のはフェイクなのか、あるいは仁平パワーで手に入れたものなのか……。

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この「INSTANT KARMA」はおそらくジョン・レノンの曲からきてると思います。俺もコレほしいんです!


トム・ウェイツ以外にも仁平の好きなアーティストを出したいな、ということで本棚にチラッとその筋の本を紛れ込ませました。俺の青春のバンドのひとつなんですが、今聴いてもやっぱり猛烈にかっこいい……。
DブーンはいわゆるThe 27 Clubのひとりで、拙作『タイトロープ・ダンシング』でその話題が出たとき、主人公の寛次くんが絶対に思い浮かべたであろう男ですね。あと『サンキュー・マイフレンド』のふたりもこのバンドが好きです。


屋上で一球がひとりでユラユラ踊る……という場面を書くことになったとき、この曲しか浮かばなかったんですよ。歌詞(和訳はこちら)もかなり場面に合っていて「うわあ……!」とひとり盛り上がロールでした。一球は「カリードくん」と呼んでると思いますし、ファッション的なお手本にもしていそう。作者のアイドルです。


ムラ・マサは壮亮のイメージで持ち出したんですが、この曲だけは一球チョイスで、やっぱり(?)こいつはこういうのが好きなんだなあと。で、奴にとってこの曲の "you" はひとりじゃないし、"we" はふたりじゃないよな……みたいなことを思いつつ、ステップを踏んでる一球の絵面を想像してやばくなっていました。奴は英語わかりませんが。やー、こういう胸キュンソングめちゃ好きなんですよね……。


壮亮がいちばん好きなのはコレ、ということで。歌詞の引用はしないという方針で書き始めたんですけど、最後の最後にどうしてもやりたくなっちゃいましたね……あの場面で流れてたら絶対にいいなと思ってしまって。ただあれはめっちゃ壮亮くんの意訳なので、すみません。しかもルビなので文字数も抑えなきゃいけなくて!


一球がATCQティーシャツを着る場面は序盤ですが、Can I Kick It? は最後の方にあった方がいいよね、みたいな感じで。Can I Kick It? (Yes, you can!!!) という気持ちで。
なお、ヒップホップの世界で「Q」といったら誰もが思い浮かべるのはまずATCQのメンバー、Qティップではないかと思います。


これは作中には出てこないんですが、最後のシークエンスで流れてるのが壮亮の "Teenage Headache Dreams" だとしたら、エンドロールの黒い画面では一球好みなコレとが流れててほしいなあ、みたいな、そういうことを考えながら執筆してるんです。いつもってわけじゃないですよ!だいたい!

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ということで、楽曲紹介でした。
なんだかんだほとんど載せてしまったような……まあいいか!

ちょっと放心してますがまたがんばります!それではっ!!

新刊『ティーンエイジ・キックス』リリースのお知らせ

お久しぶりです、晋太郎です。
新作中編──といっても少し長めですが、そのリリースのお知らせです!

ティーンエイジ・キックス

ティーンエイジ・キックス

 

「死ぬほど運がいいんだ、おれって」
中三の夏、陸上部の部室でそう言った作人は一週間後に飛行機の墜落事故で死んだ。

4-1=3。重要なピースを欠いたリレーメンバーの三人はそのまま陸上競技から離れるが、
高校二年生となった今でも、それぞれが作人の不在を強く意識したままでいて……。

早熟で先進的だったリーダー、去ってしまった一走の作人。
ブラックカルチャーへの憧れでいっぱいな"真性のアホ"、陽気で派手好きな二走の一球。
ただただ今をやり過ごそうとする、屈託にまみれた三走の《俺》。
そして、スニーカーばかりに情熱を注ぐ問題児、"動けるデブ"と化したアンカーの仁平。

ずきずきと疼く"あの頃"の眩しい記憶、目を逸らせない現実と迫り来る将来、三者三様の悩みと秘密──。
"今"を全力でキックするティーン、その傷だらけの青春と友情を描いた約75000字の書き下ろし中編!

タイトルの通り、今作は十代の青春モノとなります。というと、「おっ、お得意のキラキラか?」と思われそうですが、今作の主人公は17歳にして過去を眩しく捉えていて、いつまでもキラキラしてらんねえんだよ!的な態度を見せつけてきます。
結構な試練を与えられたキャラクターたちが、しかしそれぞれ懸命にあがくさまを描きました。ビターな要素もありますが、そこはきちんと晋太郎節(?)を効かせながら《ノンケ男子どもの熱くホモ臭い友情》をちょいちょいコミカルに、そしてエモーショナルに展開させております。中盤まではちょーっとウジウジしてますが、後半は勢いづきますのでぜひぜひ読み進めてくださいませ。

今回のキーワードないしキーアイテムは《Kicks=スニーカーです。アディダス派の主人公、内城壮亮(ナイキ・ソウスケ)くんは割と普通のニーチャンですが、スニーカーマニアの仁平くん、ヒップホップやそっち系のアートワークなどを愛する一球くんのおかげで、今までになかったなあ、というぐらいブラックミュージックやストリートカルチャーの色も入り込みました。元陸上部員のくせに(?)割とヤンチャな連中になってます。そういうところもお楽しみいただけたら嬉しいです!

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作中に登場するスニーカーの一部です。こんな感じ。

やー、今作は今年の1月アタマに書き始めてすぐに初稿があがったので、これは春先にはリリースできちゃうなあ……なんて思ってたんですけど、コロナ禍(と、それに重なるようにして起きたヤベエ諸々)のために身動きのできない日々が続き、寝かせたくないのに寝かせるような感じになっちゃったんですよね。でもまあ、夏のお話なのでこの時期にズレ込んだのも結果オーライということにしたいです。しないとやってらんねえ!


例によって作中に出てくる音楽のエントリもまた立てたいなーと思ってますが、1曲だけ貼っておきます。執筆中、Mura Masaくんの新譜と作品がリンクして盛り上がったので、今回はアルバム通して色々と使いました!ブラックミュージックじゃないやん。

ということで、どうかどうかよろしくお願いします!
そして毎度のことですが、ご感想、激励、イラストなどなどのリアクションも切実にお待ちしております!!それを糧にこのまま次回作(たぶんどうでもいい感じの、露骨な性の話が多めな、おっさんやニーチャンどもの短編集)に移りたいなあと!
絶対に絶対にがんばりますので、何卒、よろしくお願いいたしますーーー!!!